※解答はIPAのサイトを引用しておりますが、解説は独自ですので参考程度にご覧ください
答: [a]TPA [b]グローバル [c]リプライ
[a]には「TPA」(ターゲットプロトコルアドレス)が入ります。
ARPリクエストとは、IPアドレスから対応するMACアドレスを求めるための、ネットワーク上で送受信される問い合わせ(パケット)のことです。
ARPパケットのフィールドには代表的なものとして次の4つがあります。
・送信元ハードウェアアドレス(SHA)
→自身のMACアドレス
・送信元プロトコルアドレス(SPA)
→自身のIPv4アドレス
・ターゲットハードウェアアドレス(THA)
→不明(全部0)これから教えてもらう!
・ターゲットプロトコルアドレス(TPA)
→名前解決したい相手のIPv4アドレス
「TPA」フィールドにMACアドレスを知りたい相手のIPv4アドレスを入れ、
ブロードキャストするのがARPリクエストになります。
よって解答は「TPA」になります。
[b]には「ブロードキャスト」が入ります。
ARPリクエスト送信の段階では宛先のMACアドレスがわからない状態のため、
ARPリクエストは「ブロードキャスト」
(宛先MACアドレス:ff:ff:ff:ff:ff:ff)で
同じネットワーク(同一セグメント)内の全ての機器に向けて送信します。
[c]には「リプライ」が入ります。
ARPリクエストを受信した、要求されたIPv4アドレスをもつノードは、
自身のMACアドレスを送信元MACアドレスフィールドに入れたARP「リプライ」を
ARPリクエストの送信元MACアドレス宛にユニキャストで送信をします。
(1) [d]~[f]に入れる字句を記号で答えよ
答: [d]16 [e]48 [f]64
[d]には「16」が入ります。
図2のとおりIPv6アドレスは128ビットで構成され、それを16ビット×8個にコロン(:)で区切って表されます。
[e]には「48」が入ります。
MACアドレスは「48」ビットで構成され、それを8ビット×6個にコロン(:)で区切って表されます。
[f]には「64」が入ります。
Modified EUI-64とは、IPv6で自動的にインターフェースID(アドレスの後半64ビット)を作る方法の1つです。
MACアドレス(48ビット)を64ビットに変換して使う方法のことをModified EUI-64形式と呼びます。
(2) 本文中の下線①について、LLAが有効な範囲を20字以内で答えよ。
答: 同じネットワークセグメント内
LLA(リンクローカルユニキャストアドレス)は同一リンク内(同じネットワークセグメント内)だけで通信するためのIPv6アドレスのことです。
LLAは、RA/RSメッセージ(Router Advertisement/Solicitation)や
ARPの代わりになるNS/NAメッセージ(Neighbor Solicitation/Advertisement)などで使用されます。
答: これから使用予定のLLAおよびGUAが同一ネットワーク上の他ノードに使われていないか確認するため
IPv6アドレスにはLLA(リンクローカルユニキャストアドレス)と
GUA(グローバルユニキャストアドレス)があり、
図3はPC自身がLLAとGUAをNDPとSLAACを用いてを生成する処理です。
LLA…ネットワーク内で使うローカル用アドレス
GUA…インターネット上で使えるアドレス
NDP…近隣ノードの発見、通信用のプロトコル
まず(i)は、ノード1が使用予定の仮のLLAを生成し、
ノード2とノード3にそのLAAをNS(Neighbor Solicitation)メッセージで送信しています。
NSメッセージとは、NDPの機能の1つで近隣ノードのMACアドレスを確認する、いわばIPv4のARPのような役割で
メッセージを受信したノードの次のように動作します。
・同じアドレスを使っていない場合
→NSメッセージを破棄
・同じアドレスを使ってる場合、
→NAメッセージで応答
つまりNSメッセージがどのノードからもない場合、
使用予定のアドレスは誰も使っていないので使用OKという確認が取れることになります。
(v)も同様で、これから使用予定の仮のGUAを生成し、
ノード2とノード3にそのGUAをNSメッセージで送信、
NSメッセージがどのノードからもない場合は
使用予定のアドレスは誰も使っていないので使用OKという確認が取れることになります。
まとめると、(i)と(v)は自身が使用予定のIPv6アドレスが、
ネットワーク上で他のノードに使われていないかの重複確認の目的をもちます。
よって解答は「これから使用予定のLLAおよびGUAが同一ネットワーク上の他のノードに使われていないか確認するため」となります。
(4) 図3中の処理 (ii) の正式なLLAがfe80:8:800 200c:417a であり、処理(iv) のRAメッセージに含まれるサブネットプレフィックスが2001:db8:aabb:1::/64 であった場合に、処理 (v) で生成される仮のGUA及びプレフィックス長を答えよ。
答: 2001:db8:aabb:1:8:800:200c:417a/64
仮のGUAはRAに含まれるプレフィックス(先頭64ビット)とLLAのインタフェース識別子(後ろ64ビット)を繋げて作ります。
1.今回のリンクローカルアドレス
fe80:8:800:200c:417a
このインタフェース識別子部分(後ろ64ビット)は
→ 8:800:200c:417a
2.これをRAで受け取ったプレフィックス
→ 2001:db8:aabb:1::/64
の後ろにくっつけると
「2001:db8:aabb:1:8:800:200c:417a/64」
となり、これが解答になります。
(5) 本文中の[g]に入れる適切な字句を答えよ。
答: デフォルトゲートウェイ
SLAACでPCに自動設定できるものは本文中に記載のGUA、LLAとデフォルトゲートウェイを設定することができます。
(iv)で”ノード3はデフォルトルータを決定するための情報をRAメッセージにいれて、ノード1宛てに送信”とあります。
RAメッセージにはRouter Lifetimeという項目があり、これが0なら採用しない、0以外なら採用するという決まりがあります。
Router Lifetimeが設定されたRAメッセージを受信したノード1は「デフォルトゲートウェイ」としてこのノード3のLLAと認識します。
(6) 本文中の下線②について、P主任がこのように考えた理由を20字以内で答えよ。
答: IPv6アドレスからPCを特定することが難しくなるから
LLAやGUAはPC自身が生成するため、生成に必要なインターフェース識別子を疑似乱数関数でランダム化した場合、
どのPCがどのIPアドレスを使用しているか把握しにくくなり、アクセスログ等でもIPアドレスからPCの特定が難しくなります。
よって解答は「IPv6アドレスからPCを特定することが難しくなるから」になります。